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増患策を「些細でくだらない」と切り捨てる前に

2015/06/23

 さて、現在コンサルテーションが終了して既に1年以上が経過しているが、その後も経営は順調で、確実に保険点数は前年超えを続けている。開業して数年たつクリニックとしては驚異的な伸び率らしい。逆に言えば、それだけ伸びるはずのクリニックが、自分だけの経営では力を出しきれず、コンサルタントのテコ入れが必要だったといえる。経済的に余裕ができると精神的にも安定する。裴先生とスタッフの方には非常に感謝している。

 具体的な最近の数値をまとめてみた。コンサルテーションが入る前の1年間と直近1年を比較すると、保険点数は46.5%増、患者数は27.6%増、患者1人当たりの点数は14.4%増であった。

 素晴らしいのは、患者さんが長時間待っていて、診察時間に余裕がなくゆっくり説明できない、というような外来ではなく、待ち時間はあまりなく、医者もスタッフも焦ることなくしっかりと医療行為に集中できる状態のまま黒字が増えたことである。自分が得意としているアレルギー疾患の患者が増え、重症例の相談を受けることも多くなり、やりがいがある。

患者の定着率が上がったのは職員入れ替えの効果?
 院長の自分はとても満足度が上がったし、スタッフたちは楽しそうに働いているが、何か数値として彼女たちのやりがいにつながるデータはもっとないのかと考えていたところ、日経ヘルスケアのコラム「診療所経営駆け込み寺」に「簡易定着率」の記事が出ているのを見つけた(関連記事参照)。

 これはレセプト枚数を調べて、新患受診した人が1年後に定着しているかを簡単に調べる方法である。個々の患者を追っているわけではないので、大体の目安にしかならないが、この「簡易定着率」を計算してみたら結構面白いデータが出た。

 図1は、3年間の簡易定着率を月ごとに示したものだ。「年度2」がコンサルテーションに入ってもらった年で、この年度途中に、評判の悪かったスタッフが退職している。「年度1」はその前年、「年度3」はコンサルテーションが入った年の翌1年間である。スギ花粉症の患者が多い3月は、スギ花粉の飛散量の多寡により受診数が変動するのでデータに含めず、それぞれ11カ月分を同月で比較している。

著者プロフィール

今卓人(ペンネーム)●2000年代後半、大都市近郊に無床の眼科診療所を開業。白内障などの手術は手掛けず、検査や処置を中心に、こぢんまりとした形で運営している。アレルギー疾患の診療を得意としており、患者もアレルギー性結膜炎などが多い。

連載の紹介

崖っぷち医院 ただいま経営立て直し中!
本連載の舞台は、MBAの資格を持つ医師・裴英洙(はいえいしゅ)氏が率いるコンサルティング会社、メディファーム(株)の力を借りて経営立て直しを進めてきた眼科診療所。収入の伸びが止まった状態から脱却し、再建を果たしつつある院長に、これまでの取り組みを振り返っていただきます。
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