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「先生は1人?」、患者の質問が増患のヒントに

2015/02/19

 患者アンケートの結果、当院のホームページに関して、「院内の写真があると雰囲気が分かって受診しやすくなる」「休診日に具合が悪くなった場合の対処法を記してほしい」「大体の治療費が前もって分かるとありがたい」といった声が寄せられたことを前回ご紹介した。そこで早速、ホームページの内容を見直してみた。

患者の要望をホームページに盛り込む
 コンサルティングを受けていたメディファームの裴先生には、ホームページを変更したことを特に知らせていなかったのだが、早速気付いてくれたようで、ミーティングで感想を語り始めた。

裴先生 ホームページ変えたんですね。対応が早いですねえ。

筆者 あ、気付いていただけましたか? アンケートから役立つ情報が集められたので掲載内容を変えてみました。

裴先生 随分イメージが変わりましたよ。

筆者 院内の写真があまりなかったので、診察室や検査室の写真を追加し、検査機器の写真とともに検査の簡単な説明を載せました。費用については、高額になる視野検査やアレルギー採血、涙点プラグを入れた場合の窓口負担金額、初診時の金額の目安などを載せています。あと地域の休日診療所案内にリンクさせました。

裴先生 トップページも変わりましたね。

筆者 ええ、自分の写真を大きく載せるのはどうかと思ったのですが、他の眼科クリニックに通院していて「いつも先生が同じじゃなくてイヤ」と言って転院してきた患者さんがいたり、「そちらは先生はお1人ですか? ずっと同じ先生に診てもらいたいので何人も先生がいると困るのですが……」と電話で問い合わせをもらうことがあり、「うちは1人でやっている眼科だぞ!」ということをはっきりさせました。専門のアレルギー性疾患についても、より詳しく写真付きで解説ページを増やしました。

裴先生 そうですね、知り合いから紹介されても、ホームページを見てみる人も多いわけですから、患者さんが知りたい情報を載せておくのは大事だと思います。

思い込みが強い患者が集まってくるリスクも
 最近開業したクリニックでホームページを持たないところは珍しいと思う。一番近い眼科まで車で数時間、という環境であればホームページは不要なのかもしれないが、都会ではクリニックも多く、また患者さんもネットで検索して来院することが多い。選んでもらわなくてはならない環境であるなら、簡単でもよいのでホームページは持った方がよいと思う。

 ただ、経験したことのあるドクターも多いと思うが、ネットで病気について検索してくる患者さんの中には、非常に思い込みが強く、医者の言うことを聞かない人も結構存在する。ホームページやブログで病気について詳しく記載すると、そういう患者さんが増えて困ることもあるので加減が難しい。集患目的だけでホームページ上の疾患の説明を厚くすると、自分を苦しめる結果になってしまうかもしれない。他のクリニックにはない専門性を打ち出すのには良い方法だと思う。

 専門性を売り込むほかに、独自性を考えてみてはどうかと、裴先生に提案された。私も聞いたことがあるが、病気の専門というのではなく、特定の業種、業界の関係者が受診したり連携しているクリニックというのが存在する。

 可能かどうかは別として眼に関して思いつくものを挙げてみると、老眼の始まったカメラマンが相談に行くような眼科、まつ毛エクステのトラブルが最近増えているのでエステ業界と協力する眼科、などなど幾つか思いつく。

 この提案を受けて、ある業界専門誌にエッセイをしばらく連載させてもらった。その業種の人が患者さんとして増えた、ということは残念ながらなかったが、眼科の話を分かりやすく書くということは、なかなか楽しい経験であった。医者として考えるときには、疾患別の集患が一番先に思い浮かぶが、業種対応のアプローチというのは考え方として面白いと感じた。

著者プロフィール

今卓人(ペンネーム)●2000年代後半、大都市近郊に無床の眼科診療所を開業。白内障などの手術は手掛けず、検査や処置を中心に、こぢんまりとした形で運営している。アレルギー疾患の診療を得意としており、患者もアレルギー性結膜炎などが多い。

連載の紹介

崖っぷち医院 ただいま経営立て直し中!
本連載の舞台は、MBAの資格を持つ医師・裴英洙(はいえいしゅ)氏が率いるコンサルティング会社、メディファーム(株)の力を借りて経営立て直しを進めてきた眼科診療所。収入の伸びが止まった状態から脱却し、再建を果たしつつある院長に、これまでの取り組みを振り返っていただきます。
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