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柱に隠れてこっそり当院のパンフを持っていくのはなぜ?

2014/10/07

 「これ、自宅近くの眼科にあったものです」

 患者さんへの情報提供やPRの強化策を検討するためのミーティングで、メディファームの裴先生から渡されたのは、製薬会社が作成している病気説明の冊子であった。「ここの眼科は休診日にも外にラックを出して、こういう冊子を持っていけるようにしてあるんですよ。後ろにクリニックのハンコを押してあって、クリニック案内にもなっていますね」。

「手渡し」を望まない患者への配慮も
 「そういえば、先日実施した患者アンケートの回答に『病気の説明パンフが読みたい』という声が複数ありました。製薬会社のものは無料でもらえるので活用できますね。今まであまり積極的に使っていなかったので、どんなものがあるのか聞いてみます」と私が言うと、「クリニック自体の案内パンフも外に置くとよいですね。ネットでチェックする人ばかりでなく、やはり紙媒体でしか情報を得られない人たちもいるので、通りすがりに持って行ってもらえると宣伝になります」と裴先生。

 疾患の説明冊子や当院の案内パンフレットの配布パターンとしては、(1)診察時に病気や検査の説明として手渡す、(2)院内に設置する、(3)外に置く――の3つがあり、どの冊子をどこに置くか、また当院オリジナルパンフレットはどういうものを作るかを検討する必要があるが、基本方針はメディファームに言われた「ここに来たくなるようなもの」である。

 患者さんの性格にもよるが、渡されるよりも自主的にパンフレットを取りたい、という人も多い。なので、手渡しだけでなく、院内や出入り口の外にさりげなく置いておくことは案外重要ではないかと考えている。

 特に当院の案内パンフは、こっそり取りたいらしい。「知り合いの方へのご紹介にお使いください」とカードを受付に置いてあるのだが、スタッフが受付を離れた瞬間に取る人が多く、気がつくと減っている。

 今では出入り口の外にも当院の案内パンフを置いているが、クリニックが開いている時間にパンフを取る人は、なぜか柱に隠れてこちらに見られないように手を伸ばすので、気付いても見ないふりをしている。自分が新規開店の店の前を通りがかり、案内カードなどを取りたいときに店の人に話かけられるとちょっとイヤかなとも思うので、そういう感じなのかもしれない。

ブログの飲食店紹介記事に予想外の集患効果
 製薬会社が作ったパンフはなかなか良いものがあるが、特に「こういう患者さんにアピールしたい」というものは、簡単ではあるがオリジナルで作成した。また、商品紹介のようなポップをスタッフに作ってもらい目を引く工夫をした。

 任せておくと、職員たちは、子どもの検査説明パンフには可愛いイラストをつけたりしてくれる。メディファームには、「診察券にクリニック案内も付けておき、知り合いに切り取って渡せるようにしては」と提案されたが、どうもこれは居酒屋の割引券のように思え、うちの患者さんたちにはそぐわない気がしていまだにやってない。何か他の紙媒体の工夫ができるかもしれないが……。

 情報提供・PR策としては、いわゆる健康教室の開催を小学校や商店街、自治体、地元の知り合いなどに打診してみたが、迷惑そうな反応であった。この様子を見て、院内で独自にやっても参加者は少ないだろうと二の足を踏んでいる。これは地域性もあると思うし、当院らしい何かができないかと検討中である。

著者プロフィール

今卓人(ペンネーム)●2000年代後半、大都市近郊に無床の眼科診療所を開業。白内障などの手術は手掛けず、検査や処置を中心に、こぢんまりとした形で運営している。アレルギー疾患の診療を得意としており、患者もアレルギー性結膜炎などが多い。

連載の紹介

崖っぷち医院 ただいま経営立て直し中!
本連載の舞台は、MBAの資格を持つ医師・裴英洙(はいえいしゅ)氏が率いるコンサルティング会社、メディファーム(株)の力を借りて経営立て直しを進めてきた眼科診療所。収入の伸びが止まった状態から脱却し、再建を果たしつつある院長に、これまでの取り組みを振り返っていただきます。
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