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ワクチンで後遺障害、医師は賠償責任を負う?

2021/03/24
大島 眞一(大阪高裁 部総括判事)

 今回は、「予防接種」について考えてみます。

 現在、新型コロナウイルス感染症の予防接種が進められていますが、予防接種法に新たに新型コロナウイルス感染症の規定が設けられており、国が費用を負担すること(同法附則7条)などが盛り込まれています。
 
 予防接種について同法2条1項では、「疾病に対して免疫の効果を得させるため、疾病の予防に有効であることが確認されているワクチンを、人体に注射し、又は接種することをいう」と規定しています。

 予防接種法による予防接種は、被接種者個人のためだけではなく、社会に疾病をまん延させないため、つまり社会全体のために実施されるものですから、予防接種を受けたことにより疾病等が生じた場合は、健康被害救済制度に基づき、医療費の自己負担分の他、医療手当など定額の給付をすることになっています(同法15~17条)。

著者プロフィール

おおしま しんいち氏●1984年神戸大学法学部卒、司法修習生(38期)。京都地裁判事、大阪高裁判事、神戸大学法科大学院教授、大阪地裁判事などを経て、2017年徳島地家裁所長、2018年奈良地家裁所長、2020年2月より現職。大阪地裁では医療訴訟を扱う医事部の総括を務めた。『Q&A医療訴訟』(判例タイムズ社)などの著書がある。

連載の紹介

裁判官が語る医療訴訟の実像
医療訴訟が提起されたらどのようなプロセスを経て和解や判決に至るのか、個々の裁判に影響を与えるリーディング・ケース(重要判例)とは――。大阪地裁で医療訴訟を専門に取り扱った経験を持つ著者が、これまでの経験を踏まえ、医療訴訟の実像を分かりやすく紹介します。
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