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裁判所は過失と後遺症の因果関係をどう判断?

2019/12/25
大島 眞一(奈良地家裁所長)

 今回から、「因果関係」について考えてみたいと思います。

 患者の医療機関に対する損害賠償請求が認められるためには、医師の過失と結果発生との間に「因果関係」があることが必要です。「医師に過失があったけれど、過失がなかったとしてもやはり死亡していた」というように、医師の過失と、患者に生じた悪い結果との間に因果関係がない場合には、原則として損害賠償請求は棄却されます。

 例えば、ある時点で手術をすべきであったのに経過観察としたことが過失であると言うためには、その時点で手術をしていれば死亡などの悪い結果が生じなかったというように、因果関係を証明する必要があります。

 では、「因果関係がある」と言うためには、どの程度の証明(確かさ)が必要なのでしょうか。因果関係について判示した著名な判決として、最高裁昭和50年10月24日判決(民集29巻9号1417ページ、ルンバール事件)があります。以下に、その内容を紹介します。

著者プロフィール

おおしま しんいち氏●1984年神戸大学法学部卒、司法修習生(38期)。京都地裁判事、大阪高裁判事、神戸大学法科大学院教授、大阪地裁判事などを経て、2017年徳島地家裁所長、2018年奈良地家裁所長、2020年2月より現職。大阪地裁では医療訴訟を扱う医事部の総括を務めた。『Q&A医療訴訟』(判例タイムズ社)などの著書がある。

連載の紹介

裁判官が語る医療訴訟の実像
医療訴訟が提起されたらどのようなプロセスを経て和解や判決に至るのか、個々の裁判に影響を与えるリーディング・ケース(重要判例)とは――。大阪地裁で医療訴訟を専門に取り扱った経験を持つ著者が、これまでの経験を踏まえ、医療訴訟の実像を分かりやすく紹介します。
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