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健診での肺癌見落としは裁判でどう判断される?

2019/07/24
大島 眞一(奈良地家裁所長)

 今回は、集団健診について考えてみたいと思います。

 事業者には年1回、労働者に対し健康診断を受けさせる義務があります(労働安全衛生法66条、同規則44条)。検査項目のうち、診断結果を巡ってトラブルになりやすいのが胸部X線検査です。

 職場や学校の定期健康診断では、場合によっては、鮮明度が低くロールフィルムに何百枚と巻かれたX線写真を、コマ送りにして短時間のうちに読影しなければならないこともあるようで、正確な読影が困難なことが少なくないと言われています。他方、受診者としては、実際には異常所見があったにもかかわらず精密検査を受ける機会を失ったり、「異常なし」との診断結果に安心して、何か異状を感じてもすぐに受診しないという問題があることが指摘されています。

著者プロフィール

おおしま しんいち氏●1984年神戸大学法学部卒、司法修習生(38期)。京都地裁判事、大阪高裁判事、神戸大学法科大学院教授、大阪地裁判事などを経て、2017年徳島地家裁所長、2018年奈良地家裁所長、2020年2月より現職。大阪地裁では医療訴訟を扱う医事部の総括を務めた。『Q&A医療訴訟』(判例タイムズ社)などの著書がある。

連載の紹介

裁判官が語る医療訴訟の実像
医療訴訟が提起されたらどのようなプロセスを経て和解や判決に至るのか、個々の裁判に影響を与えるリーディング・ケース(重要判例)とは――。大阪地裁で医療訴訟を専門に取り扱った経験を持つ著者が、これまでの経験を踏まえ、医療訴訟の実像を分かりやすく紹介します。
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