今回から、医師などの過失(注意義務違反)について考えてみます。
 医療訴訟において、医師の過失は「医療水準」を基準として判断することが確立しています。最高裁昭和57年3月30日判決(判例タイムズ468号76ページ・高山日赤事件)が「注意義務の基準となるべきものは、診療当時のいわゆる臨床医学の実践における医療水準である」と述べて以降、最高裁判決で同様の判断が示されてきました。
 読者の方々の中には、「医療水準」という言葉を聞いたことがあっても、実際にどの程度の水準が求められているのか、分からないという方も多いかもしれません。

裁判官は医師の過失をどのように判断するのかの画像

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