11月14日付で、徳島地方・家庭裁判所長から奈良地方・家庭裁判所長に転任しました。その関係で、先月は掲載を見送らせていただきました。今月から再開しますので、よろしくお願いします。
 さて、今回から説明義務について考えたいと思います。 患者は自らの生命・身体・健康については自ら決めることができるという「自己決定権」を有し、患者の自己決定権の実現を保障するために、医師に「説明義務」があると考えられています。
 今日、インターネットの普及によって、患者も調べようと思えば、自己の疾病についてある程度調べることは可能ですが、分かったとしてもあくまでも一般論にとどまり、自己の状態が具体的にどのようなものであるのかは医師から聞くほかありません。
 つまり、患者に自己決定権があるといっても、医学の素人の患者として、医師から適切な情報の提供を受けなければ自己決定権を適切に行使できず、「説明義務」と「自己決定権」はいわば表裏の関係にあるといえます。今日の医療訴訟では説明義務違反の有無が争点となることは多く、医療行為上の過失と並ぶほどのウエートを占めるに至っています。

まれでも重大な副作用・合併症をどこまで説明?の画像

ログインして全文を読む