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約7割が高裁へ、医療訴訟の控訴率が高い理由

2018/03/27
大島 眞一(徳島地家裁所長)
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 前回は医療訴訟の手続のうち「人証調べ」までのプロセスについてご説明しました。今回は、それ以降の鑑定から判決、和解に至るまでの手続を紹介します。
 裁判所において、医師や患者らから詳細に事情を聞く「人証調べ」をしても、原告・被告のいずれを勝訴させるかの心証を形成できない場合、当事者からの申し出により鑑定が行われることがあります。医療訴訟の鑑定人は、被告(医療機関)とは関係しない中立的な医師が裁判所により選任されます。
 鑑定は、鑑定事項(たとえば、冠動脈バイパス手術を受けた患者に腸管壊死が生じ死亡した場合に、腸管壊死を疑って直ちに開腹手術を実施すべき義務があったといえるか、といった内容)について、その分野に詳しい医師1人を鑑定人に選任し、それまでに当事者双方から提出された書面や資料などに基づいて、書面で意見を述べてもらう単独書面鑑定が中心です。

著者プロフィール

おおしま しんいち氏●1984年神戸大学法学部卒、司法修習生(38期)。京都地裁判事、大阪高裁判事、神戸大学法科大学院教授、大阪地裁判事などを経て、2017年徳島地家裁所長、2018年11月より奈良地家裁所長。大阪地裁では医療訴訟を扱う医事部の総括を務めた。『Q&A医療訴訟』(判例タイムズ社)などの著書がある。

連載の紹介

裁判官が語る医療訴訟の実像
医療訴訟が提起されたらどのようなプロセスを経て和解や判決に至るのか、個々の裁判に影響を与えるリーディング・ケース(重要判例)とは――。大阪地裁で医療訴訟を専門に取り扱った経験を持つ著者が、これまでの経験を踏まえ、医療訴訟の実像を分かりやすく紹介します。
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