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北大阪ほうせんか病院、43日で稼働病床の約半分をCOVID-19専用に転換
大阪の民間病院がコロナ病床を48床も作れた理由
第4波では40~50歳代の変異株感染・変異株疑い患者も増加

医療法人成和会副理事長兼COOの樋口昌克氏(以下、写真は全て医療法人成和会提供)

 医療法人成和会・北大阪ほうせんか病院(大阪府茨木市)は、新型コロナウイルス感染症COVID-19)対応病棟「ほうせんか新型コロナウイルス感染症病棟 HOUSENKA COVID-19 UNIT」を新設した。病床数は48床で、軽症・中等症向け。2021年2月26日から運用を開始している。

 同院は280床の民間病院で、従来、急性期から慢性期までを担っていた(急性期一般5:145床、回復期リハビリ1:85床、療養1:50床)。建物は急性期病棟と回復期・療養病棟とで2つに分かれており、渡り廊下でつながっている。うち急性期病棟部分を全てCOVID-19専用として開放するために、ゾーニング工事を行いリニューアルした。民間病院としては異例のCOVID-19患者の大規模な受け入れで、かつ1月中旬の決定から開設までわずか43日間で実現した。どのように開設に至ったのか、医療法人成和会副理事長兼COOの樋口昌克氏に聞いた(取材は2021年4月8日時点)。

──どのような経緯でコロナ病床確保に至ったのですか。
樋口 大きく3つ理由があります。1つは、大阪府に緊急事態宣言が発令された2021 年1 月14日に府知事から病床確保の要請があったことです。当院の二次医療圏である「三島医療圏」ではコロナ病床数が他圏と比べても少ないと説明を受け、地域のために手を挙げるべきだと考えました。

 2つ目は、大阪府で当時、死亡者数が全国的に見ても多かったことです。自グループ内には医療法人のほかに、介護施設などを運営する社会福祉法人があります。施設内クラスターは我々にとっても隣り合わせの懸念で、入院医療を提供できる場のニーズを身近に感じていました。

 3つ目の理由は、「地域に根差したCOVID-19対応を自グループで実現できるのではないか」と考えたことです。COVID-19は軽症~重症患者の転院など病院間の連携が欠かせません。回復期や慢性期病床を有する成和会では、従来から地域の高度急性期病院と連携してきたという背景があります。軽症・中等症向けの病床を地域で確保することによって、重症だったCOVID-19患者が改善してきたら円滑に当院に転院してもらうことができますし、治療後に感染リスクがなくなった患者を自院の回復期・慢性期病床、ひいてはグループの介護施設で受け入れることも将来的には可能です。

──どのように開設準備を進めたのですか。
樋口 主な手順は、入院患者の転院手続きや、病棟のゾーニング工事、職員への研修の実施になります。準備は急ピッチで進め、1月14日の決定から2月26日まで43日間で実現しました。通常の入院患者の転院は、重点医療機関の指定を受けた2月1日から、10日間で完了しました。コロナ病床に転用する145床の急性期病床のうち85%程度が当時稼働しており、「急な話だ」と難色を示す入院患者の方も中にはいました。しかし職員の丁寧な説明や、近くの自法人の病院に通常の入院患者を転院させるなどして、最終的にトラブルはありませんでした。

急性期病棟の患者を転院させる様子

連載の紹介

記者リポート
本コラムでは、記者などが独自に取材した医療・介護経営や業界動向に関するリポート記事、ヘルスケア業界のリーダーの先進的な取り組みなどを紹介します。

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