ある日、ケアマネジャーのみかたのさんから新規患者の紹介の電話がかかってきた。「少し問題のある患者さんで……」と、電話口のみかたのさんは、心配そうな口調だ。
早速、がんば事務長が連絡したところ、患者はすごい剣幕で「ワシには医者なんていらん! 家には来るな!!」とまくし立ててきた。怒鳴り声が受話器から漏れ聞こえ、新しく入職したスタッフたちは「来るなって言うなら、行かなくていいんじゃ……」とすっかり及び腰になってしまった。
行くべきか、行かざるべきか――。スタッフ間でも意見が分かれ、判断に迷ってしまうあらたな院長だった。
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著者プロフィール
永井 康徳(医療法人ゆうの森[愛媛県松山市]理事長)●ながい やすのり氏。愛媛大学医学部卒。2000年に、愛媛県初の在宅医療専門診療所「たんぽぽクリニック」を松山市に開業。2016年2月には在宅療養支援病床・緩和ケア病床として「たんぽぽのおうち」を併設。現在、医療法人ゆうの森の理事長として、「たんぽぽクリニック」、西予市の僻地診療所「たんぽぽ俵津診療所」、訪問看護ステーション、訪問介護事業所などの運営を手掛ける。

連載の紹介
たんぽぽ先生の失敗に学ぶ在宅医療マネジメント塾
新たに在宅医療を手がける医療機関が増えていますが、いざ始めてみると問題が山積み。「患者が思うように増えない」といったよくある失敗例を取り上げ、「たんぽぽ先生」の愛称で親しまれる医療法人ゆうの森(松山市)理事長の永井康徳氏に、自身の経験に基づくマネジメントのノウハウを伝授してもらいます。
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