日経メディカルのロゴ画像

第2回
公立・公的病院への逆風は「積年の想い」から
病床数適正化の議論の矛先は民間病院にも向くのか

2019/12/18
佐藤敏信

 厚生労働省は9月26日、公立・公的病院など全国424の病院について「再編統合について特に議論が必要」とする分析結果をまとめ、病院名を公表した。その上で、2020年9月までに対応策を決めるよう求めている。

 公立・公的病院の多くは、地域において重要な役割を果たしている。それ故に、なぜこれほどまでに締め付けが厳しいのか疑問に思う方も少なくないだろう。

 また、病院名が公表されているため、該当する病院の経営者層はもちろん、勤務する職員の方々、受診している患者さんや地域住民の方々、自治体の方々の不安やお怒りは想像するに余りある。

 その前提の下、刺激的な言い方を許してもらえるのであれば、今回の病院名の公表は、公立病院以外の医療関係者に向けた「鬱憤の晴らしどころ」になっている側面もある。一方で、厚労省など省庁からすれば、まずは身近なところから取り組みたい。つまり、「隗(かい)より始めよ」ということなのだろう。

著者プロフィール

佐藤 敏信(久留米大学特命教授[医療政策担当])●さとう としのぶ氏。1983年山口大学医学部卒。同年に厚生省入省(公衆衛生局地域保健課)。厚生労働省保険局医療課長、環境省総合環境政策局環境保健部長、厚生労働省健康局長などを経て現職。

連載の紹介

佐藤敏信の「医療の常識を疑う」
医療財源が不足する中、医療現場の実態と省庁の方針が異なったまま新たな施策が打ち出されることは少なくありません。本連載では厚生労働省で保険局医療課長、健康局長を務めた著者が、現在の医療政策について着目すべきポイントを解説します。

この記事を読んでいる人におすすめ