歳末の候、いかがお過ごしでしょうか。今回は、CT検査を実施した事例で、請求したレセプトが審査支払機関から返戻された(差し戻された)ケースを紹介します。CT、MRI検査に関しては、実施の根拠が不明確だった場合や、頻回な撮影(同一日のCT、MRI撮影、同月内の複数回撮影)の場合に、査定や返戻となるケースがしばしば見られます。
この事例は、A病院での初診時に肺癌を疑い、CT撮影を施行。レセプトの返戻理由は、「胸部単純X線撮影の結果など、肺癌を疑いCT撮影を行った根拠が示されていない」というものでした。
患者さんは、微熱、咳などを訴えて自宅近くのクリニックを受診。投薬による治療を進める一方で、胸部単純X線撮影を施行した結果、肺癌の疑いでA病院に検査紹介となりました。紹介受診の当日、A病院では前医から持参された胸部X線写真を読影後、CT検査を実施。肺癌疑いでレセプト請求を行ったものです(図1)。

図1 今回の返戻の対象となったレセプトの内容