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診療所の運動器リハ、意外だった査定の理由は?

2017/10/17
長面川 さより(ウォームハーツ代表取締役)

 ようやく秋らしい気候になってきましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 本題に入る前に、1つお知らせがあります。前回、他医療機関から持参された画像の読影費用などについてお話をさせていただきました(「保険者の突合点検で発覚した検査料の誤請求」参照)が、内視鏡の診断費用に関し厚生労働省の疑義解釈が発出されました。「平成29年7月28日事務連絡」疑義解釈資料(その13)問2に、「他医療機関で撮影され持参された内視鏡画像の診断費用は、CTなどと同様に、初診料算定した日に限り算定する」旨が示されています(疑義解釈はこちら)。根拠は定かではありませんが、再診時にはご注意いただければと思います。

 今回のテーマはリハビリテーションです。ご承知のようにリハビリテーション料は、脳血管疾患、運動器、心大血管など疾患ごとに点数が設定されており、特に運動器リハビリテーション料については診療所でも整形外科を中心に算定しているケースが少なくありません。リハビリテーション料の算定時に注意したいポイントの1つが、「計画書の記載と説明」です。

1. リハビリテーション計画書の記載と説明
 疾患別リハビリテーション料の算定に際しては、「リハビリテーション実施計画書」または「リハビリテーション総合実施計画書」の作成が必要です。これらの計画書の内容や、患者さん・ご家族への説明は、診療所、病院ともに行政指導(個別指導など)で指摘されやすい項目の1つですので要注意です。

 リハビリの開始時およびその後も、医師が定期的な機能検査などに基づいて効果判定を行い、計画書を作成することになります。計画書は本人または家族に説明し、説明者のサイン、説明を受けた本人または家族等のサインが必要となります。これらの要件を欠く場合に、行政指導で指摘されるケースが目立ちます。

 リハビリテーション実施計画書は患者から費用徴収をせず、作成・説明は一部の規定を除き3カ月に1回必要となります。手術などで起算日が変更になる場合は新たな計画書を作成し、説明を行うことが必要です。

2. 介護保険の要介護・要支援者に実施する際の注意点
 診療報酬点数の中には、介護保険の要介護者・要支援者に算定する場合に注意を要する項目がありますが、疾患別リハビリテーション料もその1つです。まずは、審査支払機関によりレセプトが査定された事例を見ていきましょう。

 患者さんは70歳女性で、右変形性膝関節症、認知症と診断されており、介護保険では要介護1の認定を受けています。A病院を退院後、Bクリニックでリハビリを行ってきました。運動器リハビリテーション料はA病院、Bクリニックのいずれも算定したのですが、保険者による突合・縦覧点検が行われた結果、Bクリニックの方が査定されてしまいました。

著者プロフィール

長面川さより(医療情報科学研究所、ウォームハーツ代表取締役)●なめかわ さより氏。昭和大学病院医事課を退職後、1999年に独立。診療報酬請求実務のほか、レセプトの分析に基づく経営コンサルティングなどを手掛けている。埼玉女子短期大学客員准教授、東京大学病院保険診療指導顧問などを務める。

連載の紹介

あのレセプトが削られたわけ
ルール通りに診療報酬請求を行ったはずなのに、レセプトを査定されたり返戻されて納得できない——。そんな経験を持つ方は多いのではないでしょうか。本連載では、診療報酬請求の実務や審査の実情に詳しい長面川さより氏が、事例を基に、査定・返戻の傾向と対策を解説します。
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