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「患者には○○が説明してくれるから」の落とし穴

2021/12/08
墨岡 亮 西岡 宏晃(仁邦法律事務所)

 チーム医療を行っている中で、「私以外の医師が患者に説明をしているから、説明しなくてもいいだろう」「薬のことは薬剤師が説明してくれるから、私が説明しなくても……」と思ったことはありませんか。

 チームで医療を行っている以上、自分以外の医療者が説明をしていれば問題ないのではないか、と考えるのは自然なことでしょう。厚生労働省の通知(「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」平成19年12月28日 医政発1228001号)でも、慢性疾患では医師の治療方針に基づいて看護職員が療養生活の説明を行うことが可能とされていたり、採血・検査について看護職員や臨床検査技師が医師の指示の下に説明を行えるとされています。

 ただ、患者との間で何らかのトラブルが発生したとき、説明を他者に任せきりにしていたとして、医師の責任が問われることがあります。そのため、チーム医療の実践に際し、「患者・家族に対する説明を他人に委ねられるのか」を明確にしておくことは有用です。そこで、今回は、患者・家族に対する説明を他人に委ねた場合について判断した裁判例を4つご紹介します。

連載の紹介

日常診療に生かす医療訴訟の教訓
患者とのトラブルで頭を悩ませないようにするためには、日々の診療で紛争予防を意識した対応をしておくことが欠かせません。本連載では、医療機関側の弁護活動を行う仁邦法律事務所(東京都港区、桑原博道所長)の弁護士が、実際の裁判例も参照しつつポイントを解説します。

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