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医師の「労働時間」問題、裁判所はどう判断?

2021/08/11
墨岡 亮、淺野 陽介(仁邦法律事務所)

 ○○年問題という言葉は、コンピューターシステムに関する「2000年問題」をはじめとして様々なものがありますが、医療界がこれから直面するのが「2024年問題」です。働き方改革関連法に基づき医師の労働時間規制が適用される2024年は、大きな変革期といえるでしょう。

 国が進めてきた働き方改革では、医師についても通常の労働者と同様に時間外労働の規制対象とするものの、応召義務等の特殊性があるとして、適用が先延ばしになりました。

 令和2年12月22日に厚生労働省の「医師の働き方改革の推進に関する検討会」が発表した中間とりまとめでは、下記の方針を示した上で、対象となる施設の指定要件などの大枠をまとめています。
(1)通常の時間外労働(休日労働を含まない)は、月45時間以下・年360時間以下とする。
(2)「臨時的な必要がある場合」(休日労働を含む)は、原則月100時間未満・年960時間以下とする。
(3)さらに労働時間短縮を徹底しても、なお「960時間を超える時間外労働が必要な勤務医」がいる場合、一定水準の指定等を受けた医療機関では、月100時間未満・年1860時間以下とする。

 これらの具体的な内容は、本連載のテーマから外れますので他に譲りますが、今回は医師の労働時間を巡る基本的な考え方を、裁判例とともに見ていきたいと思います。

連載の紹介

日常診療に生かす医療訴訟の教訓
患者とのトラブルで頭を悩ませないようにするためには、日々の診療で紛争予防を意識した対応をしておくことが欠かせません。本連載では、医療機関側の弁護活動を行う仁邦法律事務所(東京都港区、桑原博道所長)の弁護士が、実際の裁判例も参照しつつポイントを解説します。

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