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新型コロナの治療、「推奨」に従わないと紛争で不利に?

2020/10/21
桑原 博道 矢古宇 匠(仁邦法律事務所)

 2020年9月9日、日本集中治療医学会と日本救急医学会の日本版敗血症診療ガイドライン(J-SSCG)2020 特別委員会は、同ガイドラインの特別編として、「COVID-19 薬物療法に関する Rapid/Living recommendations」を公表しました。10月14日には第二版が公表されています。

 同ガイドラインでは、酸素投与を必要としない新型コロナウイルス感染症COVID-19)の軽症患者については、ファビピラビル(商品名アビガン)の投与を「弱く推奨する」としました。また、酸素投与/入院加療を必要とする中等症患者、ならびに人工呼吸器管理/集中治療を必要とする重症患者については、レムデシビル(ベクルリー)の投与を「弱く推奨する」としています。

 患者が回復すれば、これらの薬剤の投与の有無にかかわらず、医療紛争になることは考えがたいところです。では、死亡などの重篤な転帰をたどった場合はどうでしょうか。軽症患者について、ファビピラビルが投与された場合と投与されなかった場合、あるいは、中等症・重症患者についてレムデシビルが投与された場合と投与されなかった場合で、扱いがどのように変わるのか、過去の裁判例を基に考えてみることにしましょう。

連載の紹介

日常診療に生かす医療訴訟の教訓
患者とのトラブルで頭を悩ませないようにするためには、日々の診療で紛争予防を意識した対応をしておくことが欠かせません。本連載では、医療機関側の弁護活動を行う仁邦法律事務所(東京都港区、桑原博道所長)の弁護士が、実際の裁判例も参照しつつポイントを解説します。

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