
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行拡大に伴い、電話やパソコンなどの情報通信機器を用いた診療に関する運用が緩和され(令和2年4月10日厚生労働省通知など)、初診患者や再診患者に「非対面式」の診療を行うケースが増えています。今回の緩和措置は時限的・特例的なものではありますが、患者の利便性追求の観点から、COVID-19が収束しても、オンライン診療などの非対面式の診療は拡大していくものと考えられます。
そこで今回は、医師の電話による指示などの是非が問われた過去の医療訴訟事例を3つ挙げて、非対面式の対応を行う上での注意点を考察します。いずれも、症状が増悪した際の問い合わせへの対応が問題とされた事案ですが、状態が比較的安定した患者の定期受診の際のトラブルを防ぐ上でも参考になるものと思われます。