医療現場で、「後々トラブルになったときに備え、患者や家族に謝罪しないように」と言われることはよくあると思います。では、謝罪をすると、実際に医療訴訟で不利に扱われるのでしょうか。この点について、裁判例を3つ紹介します。
 1つ目の裁判例は、訪問診療、訪問看護を受けていた在宅患者に左大腿骨骨折が見つかり、その後、大腸癌で死亡した事例です。骨折が見つかる前、訪問看護師による可動域(ROM)運動が行われていました。その内容は、(1)患者の足趾に対して指によるマッサージを行う、(2)踵に対して内旋、外旋を行う、(3)下腿に対して、末梢から中枢へ揉むようにマッサージを行う、(4)膝蓋骨に対し、左手で膝窩を支えて右手の平で膝蓋骨を包み込むように回転させる、(5)膝に対しては、踵を左手で支え、膝を右手で支えて、膝の屈曲による抵抗を感じない程度に5回程度屈伸を行う――というものでした。骨折が判明した際、ROM運動を行った担当看護師は謝罪をしていました。

3つの裁判例に見る「正しい患者への謝り方」の画像

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