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診療所の法令違反が発覚、第三者承継が破談に

2021/10/12
岸部 宏一(横浜医療法務事務所)

 「残念ながら、この件は破談としたく存じます。ご尽力いただきましてありがとうございました」──。行政書士法人に届いたメールの差出人は、医療法人社団Aクリニックの理事長の親族で、開業時から非常勤の事務長のような立場でクリニックを手伝ってきたB氏でした。同日夜には、Aクリニック勤務医のY医師からも、ほぼ同内容のメールを受信。同院をY医師が承継する計画が完全についえたことが判明しました。

 ある地方都市の新興住宅地に位置するAクリニックは、地方の国立大学出身のA医師が約25年前に開設した無床の診療所です。町の成長とともに患者数は順調に伸び、10年後に医療法人化。その後、理事長個人が新築したビルの1階に診療所を移転し、15期目の決算を迎えるまでは順調そのものでした。

 そんな中、60歳代のA医師が脳卒中で倒れ、救急搬送されて入院。かろうじて命は取り留めたものの、重い麻痺が残った状態での退院となってしまいました。主を欠くことになったAクリニックで外来を担当したのは、長男で後期研修医のT医師と、A医師の大学医局後輩のY医師。それぞれ週1日だけ代診を行い、あとは臨時休診としながら今後の方針を検討することとなりました。

連載の紹介

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