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「休眠医療法人」を買った院長がはまった泥沼

2020/08/27
岸部 宏一(横浜医療法務事務所)

 10年余りの大学医局員としての勤務医生活を経て西日本の実家のクリニックを継いだS医師は、知人の紹介により、高齢者住宅を展開するA社と提携。入居者への在宅医療を始めることで先代の時代を大きく上回る医業収益を上げ、忙しい中でも意気軒高。連日、午前は外来、午後は訪問診療をこなしていました。A社は地元の不動産会社で、高齢者住宅の運営は事業多角化の一環として始めたものです。

 ある日、S医師は、A社のA常務から「隣の市にも高齢者住宅の開設を計画しているので、そちらの方にも訪問診療をしてほしい。提携医療機関として広告に載せてよいか」との打診を受けました。S医師はもともと、A社の施設の他は、近隣の患者数人にしか訪問診療を行っていなかったため、隣の市までの訪問診療と聞いて戸惑いました。念のため、予定地と自院の距離を地図で確認したところ、ざっと25~30kmあることが判明。往診・訪問診療には原則として、自院から16km以内とする距離制限があることを理由に断ることにしました。

連載の紹介

クリニック事件簿
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