Case50 接遇に熱心に取り組んできた内科診療所
今回は開業3年目、ある地方都市の内科クリニックへの覆面調査でした。院長からは、「開業当初から接遇に力を入れているものの、実際プロの目から見たらどのように見えるのか調査してほしい」というご依頼でした。
早速、覆面調査員A子が調査に出向きました。その内科クリニックは新幹線の停車駅から、さらにJRで40分ほど離れた町にあります。駅前に最近、建ったばかりだというビルの中のテナントとして入っていました。
A子がクリニックに到着したのは午前中。比較的患者さんが多い時間のようでしたが、スタッフの皆さんは、全体的に明るく穏やかな表情をしていました。ユニホームの着こなしについても、清潔感があり、気になることはありませんでした。
受付前に座っていたご年配の方へ、少しかがんで目の高さを合わせてお話しされているのも、優しく丁寧な印象でした。
少し気になったこととしては、猫背気味だった方がいらっしゃったことです。肩が内側に入ると、だらしない印象を与えることがあるので注意が必要です。また、前髪が垂れ下がっていて、目にかかる状態の方がいました。今は皆さんマスクをしていますので、患者さんにはこれまで以上に「目の表情」の重要性が増しています。せっかくですので、目元がよく見えるよう前髪は短めにするか、留めるとよいと感じました。
また、入り口に消毒液が「手動式」と「自動式」の2種類、設置されていたのですが、自動式の方が壊れていたのか、A子が3回手をかざしても一度も出ませんでした。せっかく設置していても壊れていると印象が悪くなってしまいますので、こういった備品の確認も日々のルーティン業務に取り入れるとよいと思います。
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著者プロフィール
榊原陽子(マザーリーフ代表取締役)●さかきばら ようこ氏。全日本空輸の客室乗務員を経て2002年に社会保険労務士として開業し、2006年、医療・介護事業者向けスタッフ教育事業などを手掛けるマザーリーフを設立した。愛知文教短期大非常勤講師(ホスピタリティ論)。

連載の紹介
榊原陽子のクリニック覆面調査ルポ
トレーニングを受けた調査員が客を装ってサービスをチェックする覆面調査。この連載では、医療機関向けの覆面調査を手掛けるホスピタリティコンサルタントの榊原氏が実例を通して、院長が気付きにくい問題点と解決策を浮き彫りにします。なお、個人を特定できないよう、事例は一部変更を加えています。
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