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ファーストタッチは研修医、経験重視で自立・自律を促す
東京都済生会中央病院(東京都港区)

2010/08/06
高島三幸=フリーライター

臨床研修責任者の中川先生と、インタビュアの柴田さん
Photo:Shinobu Akimoto

柴田 東京都済生会中央病院の研修体制の特徴を教えてください。

中川 当院のプログラムの特徴を一言で表すと「自立・自律を促すプログラム」となりますね。

 臨床研修必修化に伴い、基本的臨床能力やプライマリ・ケアの習得が目的として掲げられました。厚生労働省が定める達成目標は全科に及ぶものですが、2年間でそのすべてを経験するのは大変なことです。

 しかし臨床医として独り立ちするために最も重要なのは、医師としての気構え、プロとしての自覚、そしてそれを支える自負、だと思っています。これらを醸成するには、臨床現場でなるべく多くの経験を積みながら、自ら考え行動し、答を見つける術(すべ)を身につけなければなりません。それを習慣として、常に自らに課していくことが必要です。

 当院のプログラムでも、さまざまな臨床現場を経験してもらうため、プライマリ・ケアの基幹にあたる内科研修、救急研修に重点を置いています。内科は1年目に6カ月、救急は1年目に1カ月、2年目に2カ月を割り当てており、この間に夜間当直や休日日直なども担当します。プライマリ・ケア症例や救急症例を豊富に経験できます。

 選択期間は7カ月あり、1年目を終了した時点で、内科、外科、小児科、産婦人科、放射線科、麻酔科などから自由に選べます。将来の志望科目にこだわらず、自らの考えで組み立てられます。

社会的弱者の受け入れを病棟で大きな実戦経験
 中川 研修内容について詳しくお話する前に、この病院の成り立ちについて説明しておきましょう。済生会は、明治天皇のご下賜金により、医療を受けられずに困っている人たちのために創立されました。『施薬・救療・済生』の精神を尊び、現在も保健・医療・福祉への貢献を理念として掲げています。そのため、生活保護が必要な方やホームレスの方の受け入れ体制を用意しています。

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