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頭部の画像診断

ミニレクチャー
拡散強調像とは何?

2013/09/12
岡嶋 馨(近畿大学医学部奈良病院放射線科)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年12月号の特集を転載したものです。

■MRIはさっぱりわからない

 「CTは勉強しやすいけれどMRIはどうも難しい」という感想にはまったく同感です。CTの濃度はX線吸収という単一の変数であるし、「骨は白、脂肪は黒」に見えるのは単純X線写真と同じだから抵抗がありません。

 一方、MRIは多数の意味不明の撮像条件ごとに色合いが異なり、画像数も多い。さらに用語も多すぎて、「T2強調像」は許せるとしても、傾斜磁場、ADC、FLAIR、FISP、テンソル、GRAPPA、等々ときたら、誰でも「いい加減にしてくれ」と思います。その最たるものが拡散強調像(diffusion weighted image:DWI)で、勉強意欲をくじく根源と言えましょう。

■原理を無視しよう

 「理由や原理を理解しないと応用が利かない」というのは勉学の大原則ですが、MRIの原理には固執しなくても可。筆者も含め「もうMRIは嫌」と思った人は、まず理論と数式のページを無視しましょう。とりあえず「T2強調像では水が白い」とだけ覚えて、T2強調像と解剖の本とを懸命に見ましょう。

■だから拡散強調像って何?

 とは言え、拡散強調像は頭部画像診断では不可欠。「急性期脳梗塞が白い」と思えばまずは事足りるのですが、それでも拡散強調像が何かというと、「水のプロトンの分子レベルでの微視的な拡散を画像化したもの」ということだそうです(すでに理解不能!)。

■どんな疾患に応用するのか

 具体的には細胞性浮腫や細胞密度の高いところが高信号になり、「サラサラした水は黒く、ドロドロした水は白く」描出されます。拡散が低下したところが強調されて高信号に見えるので、「拡散強調像」でなく「不拡散強調像」なのかもしれません(低信号の場合は臨床的問題が少ないので気にしなくてもよい)。

POINT
 拡散強調像で高信号:急性期脳梗塞、類上皮膿胞(図1)、膿瘍、脳炎、リンパ腫、出血など

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