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頭部の画像診断

ミニレクチャー
では前頭葉は何をしているのか?

2013/09/05
高橋大介(国立病院機構大阪南医療センター脳卒中センター)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年12月号の特集を転載したものです。

■前頭葉とは

 冗談ばかり言っていると、“前頭葉やられているんちゃう?”とか、宴会の翌日、“昨日前の方やられて、言いたい放題だったわね”とも言われたりする。前頭葉は理性、精神、性格をコントロールする領域だと思われているようである。

 脳は機能的には生命維持を司る脳幹、情動や記憶のコントロールを行う基底核・辺縁系、人間として生活を行う上での知的機能を統合する大脳皮質の3つに大別できる。脳は生きるために必須のものであり、人間はまわりの人と関わりを持ちながら理解したり、思いあったり、行動をしている。そのため辺縁系と前頭葉は固い絆で結ばれている。

 前頭葉は、大脳半球の約1/3程度の広範な領域を占めていて、(1)運動の遂行に関与する領域、(2)まわりのあらゆる情報から推理、思考し適切な行動を起こすことに関与する領域、(3)思いを言葉にする領域、(4)眼球運動を調整する領域、などに分けられる。ここではいかにも前頭葉らしい機能を有する前2者を取り上げる。

■一次運動野、運動前野、補足運動野

 (1)は一次運動野、運動前野と補足運動野の3つの領域から成る。一次運動野は運動機能の中枢である。カナダのペンフィールドという脳外科医は運動野を電気で刺激をし、からだの各部とのそれに対応する運動野の分業部位の関係を示したペンフィールドのマップというものを完成させた。それによると、分業部位は運動野の中心前回の最下部から、顎、唇、顔、眼、首、指、掌、手首、肘、体幹、足の順に並んでおり、とりわけ細かい複雑な運動、機敏な運動が要求される手、指の領域は非常に広範になっている。この前方に位置する補足運動野と運動前野はまとめて運動連合野と呼ばれる。

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