※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年12月号の特集を転載したものです。
●症状は腫瘍の部位によるものに加えて、けいれん、頭痛、複視など。
●発症が緩やかで、しかも病変の大きさのわりに症状が少ないことも多い。
●実際に最も多いのは転移性腫瘍、その場合まず肺癌を疑う。
●細かい組織型よりも、臨床に役立つ分類を重視。
■はじめに
脳腫瘍は種類が多くて大変という印象があるし、確かに腫瘍の組織分類(WHO、2000年)をみると、延々と数ページもアルファベットが続きます。たいてい最初にこの表を見て嫌になってしまいますが、実際の臨床では腫瘍だとわかれば脳外科の先生にお願いすることになるので、一般的な考え方のほうが重要です。
脳腫瘍の分類(表1)
まず重要なのは年齢と部位。小児と成人に分けて部位ごとに代表的な腫瘍が予想できます。細かい組織型より以下の分類を身につけましょう。多分、既に知っているごく普通の分類ですが、とても重要です。