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頭部の画像診断

脳梗塞の画像診断

2013/07/25
北原均(滋賀医科大学放射線科)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年12月号の特集を転載したものです。

 近年、脳血管障害の診断に画像は欠くことのできないものとなり、中でもCT、MRIはその役割の大部分を占めるに至っています。ここでは、脳梗塞の早期画像診断と、続発する合併症、そして画像所見の経時変化について取り上げます。

脳梗塞と脳出血を鑑別する

 脳梗塞と脳出血、この両者は、突然の麻痺、失語、意識障害といった、似たような臨床像を示します。画像診断はまずこの両者を視覚的に鑑別するところから始まります。一部の施設を除いて、多くの場合はCTが第一選択となります。急性期脳出血は、よほど小さくない限り、ほとんどの場合、CTにて診断が可能です。

 つまり、臨床的に脳血管障害が疑われる患者で、CTにて血腫が確認できなければ、おそらく脳梗塞であろうと考え、丁寧に画像を見る必要があります。急性期脳梗塞を診断するためには、漫然と画像を眺めていては駄目です。積極的に異常所見を見つけにいくことが必要で、そのポイントとなるのが早期CT所見です。

早期CT所見をさがせ

 早期CT所見は、CTで急性期脳梗塞を出来るだけ早期に発見するチェックポイントであり、またこれが血栓溶解療法や抗凝固療法の選択にも関わってきます。

 早期CT所見は、早期虚血変化と血管変化に分けることができます。早期虚血変化には、(1)レンズ核の不明瞭化、(2)島皮質の不明瞭化、(3)皮髄境界の不明瞭化、(4)脳溝の消失、があります。血管変化には、(1)hyperdense MCA sign、(2)MCA dot sign、がありますが、その他にもhyperdense PCA sign、hyperdense basilar artery sign などの報告もあるようです。

 早期虚血変化のうち上記の(1)~(3)は、正常のCT像では白質よりもやや高吸収を示すはずの灰白質が、急性期脳梗塞巣ではやや低吸収となり、白質との境界が不明瞭になるというものです。(4)は梗塞巣が浮腫を起こし、健常側に比べて、病変部の脳溝が分かりにくくなるというもので、(1)~(3)よりは少し遅れて出現します(図1)。

 血管変化はいずれも、血管を閉塞している血栓により血管が高吸収を示すというものです。ただし、脳動脈の高吸収は正常のCTでもよく見られる所見であり、全てを陽性と判断すると偽陽性がかなり増えます。大切なのは、患者の症状や理学所見に対して、血管変化が妥当であるかを判断することです(図2)。

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