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臨床研修プラクティス:実践!地域医療

第9回 白目が赤いんです

2015/07/16
中川紘明(市立根室病院)、宮田靖志(国立病院機構名古屋医療センター)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年12月号からの連載を転載したものです。

Episode9●昨日から白目が赤い

 田中さんの娘婿さんは、昨日から白目が赤くなったため、今日の新患外来を受診した。

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そのとき、何をどう考えたか?

研修医 「白目が赤いって言われても、眼科のローテーション研修を受けていないので、どういうアプローチをしていったらいいのかわかりません…。学生時代の知識もあやふやですし…」

指導医 「眼・鼻・耳・喉などは一般に“マイナー科の領域”なんて言われたりするけど、地域医療の外来では訴えの多い領域なんだよ。地方ではそれぞれの専門医がいるわけではないので、よくある疾患は自分で適切に診ることができるようにトレーニングを積んでいこうね。」

研修医 「はい、わかりました。」

指導医 「それじゃあ、白目が赤くなると患者さんが訴えたときに、まずはどう考えるかな?」

研修医 「結膜炎、ぶどう膜炎、それに…、急性緑内障発作を考えて鑑別したいと思います。」

指導医 「う~ん、ちょっと待って。いきなり鑑別診断を挙げるんじゃなくて、目が赤いとはどういうことか考えてみようか。」

研修医 「目が赤いというのは、目が充血しているということではないでしょうか…」

指導医 「いやいや、それだけではないよ。白目が赤いと訴える患者さんが来たら、まず出血と充血のいずれなのかを見分けることが重要なんだ。つまり、出血は結膜血管の拡張・蛇行が見られず、結膜血管との境界も不鮮明で、全体にベタッと赤くなっている状態を言い、充血は結膜血管や強膜血管の拡張・蛇行があり、結膜下組織との境界も鮮明な状態を言うんだ。この出血と充血を区別するだけで疾患が絞られてくるんだよ。」

研修医 「なるほど。」

指導医 「そして、充血と判断したなら、結膜充血なのか毛様充血なのかを考えよう。

研修医 「わかりました。」

指導医 「さらに、眼痛、かゆみ、眼脂、流涙視力低下などの随伴症状がないかどうか、耳前リンパ節の腫れがあるかどうかを確認すると確定診断に大きく近づいていくよ(表1)。」

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