※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年11月号からの連載を転載したものです。
Episode8●奥さんが両手のふるえを訴えてきた
田中さんの奥さんは、最近両手のふるえが強くなってきているのに気づき、新患外来を受診することにした。
研修医 「手がふるえるということは、振戦の鑑別を考えていくということですね。」
指導医 「“ふるえ”は一般的には振戦のことを指すけど、患者さんが“ふるえ”を訴えた場合、ミオクローヌスやジスキネジアなどを“ふるえ”と表現することもあるから注意が必要だよ。」
研修医 「なるほど。最初からつまずくところでした…」
指導医 「ふるえをどのように鑑別したらよいかな?」
研修医 「う~ん、イメージはできるんですが、うまく表現できません。」
指導医 「規則的な運動なのか、不規則な運動なのかで大きく分かれるよ。つまり、規則的なのが振戦で、不規則なのがミオクローヌス、ジスキネジア、アテトーゼなどだよ(図1)。」