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臨床研修プラクティス:実践!地域医療

第4回 関節が痛いんです

2015/06/11
中川紘明(市立根室病院)、宮田靖志(国立病院機構名古屋医療センター)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年7月号からの連載を転載したものです。

Episode4●お母さんが関節リウマチになった?

 島ではウニ漁が真っ盛りで、田中さんのお母さんは漁の手伝いに行っていた。ところが、1ヵ月前から体のあちこちが痛くなり、両腕を挙げるのも難しくなった。手作業をすることが多いせいかと思っていたが、両手の指を曲げると痛みを感じ、両手背がむくんできたため、関節リウマチではないかと心配になり受診した。

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そのとき、何をどう考えたか?

研修医 「両手のこわばりがあって、体のあちこちが痛いようですから、患者さんの言うように、関節リウマチだと思い、採血と手指のX線写真を撮影することにしました。」

指導医 「いくつか確認しようかな。まず、こわばりって何だろう?」

研修医 「指が痛いとか曲げにくいとか…。」

指導医 「指に限らず、こわばりとは、安静後、特に起床時に関節を動かそうとしたときに感じる不快感のことかな。患者さんによっては、いろんな訴え方をすると思うよ。大切なのはこわばりの持続時間で、これで炎症性の関節炎なのか、非炎症性の関節疾患なのかを見分けることができるんだ。

研修医 「そうなんですか…。こわばり=関節リウマチとばかり思っていました。」

指導医 「炎症性の関節炎の場合は、こわばりが30分以上続くことが多いと言われているよ。」

研修医 「後でどれくらいこわばりが続くのかを確認してみます。」

指導医 「じゃあ次。体のあちこちって、具体的にどこが痛いの?」

研修医 「手・指、頸、肩、腰、それに大腿です。ベッドから起き上がれないほど痛みが強いそうです。」

指導医 「日常生活にも影響が出るほど痛いんだね。具体的には、頸、肩のどこが痛いの?」

研修医 「えっ、そう言われると…。」

指導医 「例えば、肩が痛いと一言で言っても、(1)肩関節そのものが痛いのか、(2)肩関節の周りが痛いのかで鑑別疾患が変わってくるよ(表1)。つまり、関節炎なのか、関節周囲炎なのかということだね。この2つをどのように鑑別するかな?」

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