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臨床研修プラクティス:抗菌薬をマスターする

起因菌確定後の基本(後編)

2015/02/19
高倉俊二(京都大学医学部附属病院感染制御部)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年10月号の特集を転載したものです。

De-escalationというコンセプト

 De-escalationとは、初期治療開始後にフォーカスの診断と、細菌検査の結果に基づいて治療薬を最適化することを指します。De-escalationが提唱されたのは、集中治療領域における敗血症国際ガイドラインや医療関連肺炎(米国胸部疾患学会/感染症学会)のガイドラインが始まりです。これらの死亡率の高い重症病態においてde-escalationが強調されていることこそが、初期治療における広域抗菌薬投与の必要性の高い重症病態ほど副反応としての耐性菌やカンジダ感染リスク(それらによる死亡リスク)が高いために、正しい診断とターゲットを絞った狭域薬へ変更する必要性がより高いということを示しています。

 治療開始時にフォーカス検索、細菌検査を提出していればその結果は必ず出てきます。結果が判明していくにつれて、初期治療で選択した広域抗菌薬のメリットは急速に失われてきます(図2)。デメリットがメリットを凌駕するポイント(図中の★)に達する前に抗菌薬を見直そうということです。De-escalationという言葉からは、治療の強度を減らすかのようなニュアンスを感じるかもしれませんが、そうではありません。治療開始時の過剰な対応を改める、ということなのです。

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