Cadetto.jpのロゴ画像

臨床研修プラクティス:病院当直でこんな症状を訴えられたら

フラーっとする(後編)

2014/09/18
中村道三(国立病院機構京都医療センター神経内科)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2008年6月号の特集を転載したものです。

4.危険な徴候、Warning signは何か?

 複視や、失調、構音障害、感覚障害など、局所神経症状があれば中枢性疾患を考える。

 注視方向性眼振や下眼瞼向眼振も中枢性障害を考える。逆に、後述のBPPVに特徴的な眼振があれば中枢性疾患は否定できる。

 著明な徐脈やpause、完全房室ブロックなどがあれば専門医に相談する。

5.緊急性がないと判断した場合のとりあえずの応急的あるいは対症的治療は何か?

 末梢性めまいの場合は症状が強いことが多く、患者は非常に強い不安感を持っているので、まず脳や生命には別条ないことを説明し、安心させることが重要である。理解力のある患者には病気のメカニズムを説明するのも良い。

 体動で悪化することが多いため、初期には安静を指示し、嘔気が強い場合にはプリンペラン(R)等を混入した点滴を行う。エビデンスには乏しいが、メイロン(R)の点滴を行うのも良い。

 脳梗塞のリスクのある患者で脳梗塞を否定しきれない場合、頭部CTで脳出血が否定されていれば脳梗塞を想定して指導医に相談の上アスピリンの投与を検討してもよい。このような患者で軽いめまいを訴える場合は、細胞外液の点滴のみで改善することもある。

 以下は専門医での治療になるが、脳梗塞であればアスピリンの内服やキサンボン(R)、スロンノンHI(R)の点滴を行う。

 小脳出血は血圧の管理とグリセオール(R)の点滴で様子を見る。最大径が3cm以上の小脳出血で神経学的に症候が増悪している場合、または小脳出血が脳幹を圧迫し水頭症を生じている場合には手術適応となる。脳幹出血は手術適応がない。

6.やってはいけないこと

 表2に、一般的に言われている末梢前庭性めまいと中枢性めまいとの鑑別点を示した。

この連載のバックナンバー

この記事を読んでいる人におすすめ