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こんな検査異常を見つけたら〜考える臨床検査〜

ALPが高い!

2014/05/22
北島勲(富山大学附属病院検査部部長)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年3月号の特集を転載したものです。

●ALPは、ほとんど全ての臓器に広く存在し、特に肝臓、骨、小腸粘膜上皮、胎盤に多く含まれる。そのため、ALP高値をみたら、肝障害を疑う前に骨成長期、妊娠、食事(脂肪食)の影響がないか考える。次に、アイソザイムによりALPがどの臓器由来なのか推定する。特に、正常上限の4倍以上の高値を示し、黄疸を認めなければ、転移性骨腫瘍の鑑別が重要であり、転移性肝癌や肉芽腫、膿瘍のような限局性肝病変も検索する必要がある。

ALP高値の原因および病態をどのように診断するか

1.ALPの体内分布から、高ALP血症の原因を考える(図1)
 ALPはアルカリ性の条件下でリン酸モノエステルを加水分解する酵素であり、細胞膜に存在しているが、生体内における真の基質は明らかになっていない。全身の臓器に存在するが、肝臓の毛細胆管、腎臓の近位尿細管、骨の骨芽細胞、胎盤、小腸の上皮細胞(十二指腸>空腸>回腸の順)に高濃度に存在する。各臓器に存在するALPは抗原性や電気泳動の易動度により違いがあり、アイソザイムとして5型に分けられる。

 血液中のALP増加は、局所におけるALP合成亢進を反映していると考えてよい。特に、病変組織の破壊と再生によりさらに活性が上昇するため、ALPの高値をみたらアイソザイムを利用して、どの臓器由来なのかを知ることが大切である。胆汁うっ滞(肝内、肝外)をきたす疾患や骨形成性疾患、悪性腫瘍の肝、骨転移で高値を示すことが多い。また、腫瘍細胞自体が特異的なアイソザイムを産生する場合があるので注意を要する。

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