
※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年3月号の特集を転載したものです。
AST、ALTは肝細胞障害のマーカーとして広く用いられるが、異常値を見たときに肝疾患と決めつけると誤診することがある。問診、理学所見、他の検査値を含めて総合的に判断する必要がある。
■基本的事項
生化学検査スクリーニングに際して、いわゆる肝機能検査として、実施される項目は以下に示すように、(1)肝実質細胞障害を主に反映する肝細胞マーカーと(2)胆嚢・胆道系の障害を主に反映する胆道系マーカー、に大別される。
(1)肝細胞マーカー:aspartate aminotransferase(AST)[旧名glutamic oxaloacetictransaminase(GOT)]、alanine aminotransferase(ALT)[旧名glutamic pyruvictransaminase(GPT)]、lactate dehydrogenase(LDまたはLDH)
(2)胆道系マーカー:alkaline phosphatase(ALP)、γ-glutamyltransferase(γ-GTまたはγ-glutamyl transpeptidase:γ-GTP)、leucine aminopeptidase(LAP)