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こんな検査異常を見つけたら〜考える臨床検査〜

貧血がある!(後編)

2014/03/27
宮地勇人(東海大学医学部基盤診療学系臨床検査学)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年3月号の特集を転載したものです。

原因を確定するための手順は?

1.貧血の分類
 赤血球指数には、平均赤血球容積(mean corpuscular volume:MCV)、平均赤血球ヘモグロビン量(mean corpuscular hemoglobin:MCH)、平均赤血球ヘモグロビン濃度(meancorpuscular hemoglobin concentration:MCHC)がある。貧血はMCV(基準範囲80~99fL)(とMCHC)に基づいて分類する(小球性MCV<80fL、正球性MCV80~100fL、大球性MCV≧100fL)する。MCVに基づく貧血の検査手順を表3に示した。小球性貧血の鑑別では鉄代謝の評価、正球性と大球性貧血では赤血球造血能の評価が重要である。

アドバイス
MCVの基準範囲内での変化
MCVは個人内変動が少ないため、経時的に変化した場合、集団の範囲内であっても、小球性あるいは大球性貧血の原因となる病態の存在が考えられる。
個人の普段の血液データの活用
赤血球算定は個人差が大きいのに対し、個人内変動、生理的変動は小児期以外きわめて少ない。このため、赤血球算定の評価において、患者個人の普段の血液データを基準にして変化していた場合には、集団の基準範囲内であっても貧血の原因となる病態の存在が考えられる。

メモ 赤血球容積分布幅の活用
 赤血球容積分布幅(red cell distribution width:RDW)は赤血球サイズの変動係数(赤血球サイズの標準偏差/MCV)で、赤血球の大小不同の定量的指標(基準範囲は11.5~14.5%)となる。小球性貧血において鉄欠乏性貧血(RDW上昇)と慢性疾患の貧血の鑑別に特に有用である。

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