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臨床研修プラクティス:あなたが起こす医原病

放射線皮膚障害

2013/11/14
石口恒男(愛知医科大学医学部放射線医学講座)

 ※この記事は「臨床研修プラクティス」(文光堂)2009年12月号の特集を転載したものです。

ケース
60歳代の男性。左背部に疼痛を伴う紅斑が出現し、外来を受診した。原因不明で外用薬による治療を行ったが改善しない。改めて病歴を確認したところ、2ヵ月前に狭心症と診断され、冠動脈閉塞に対して経皮的血管形成術(バルーン拡張とステント留置)を受けていた。皮膚病変はX線入射部位に一致しており、放射線皮膚障害と診断された。病変は進行性で皮膚潰瘍を形成したため、皮膚移植が行われた。患者は冠動脈の治療前に本合併症について説明を受けなかったことに不信感を持っており、医療訴訟に及ぶことも危惧される。

放射線皮膚障害とは

 血管撮影装置のX線管球で発生した直接X線は患者の体を通過して平面型検出器または蛍光増倍管に届き、画像として出力される(図1)。患者の被曝は直接X線が入射する皮膚面で最も大きい。通常のX線透視では、入射面の皮膚線量率は1分間当たりおよそ10~50mGy(ミリグレイ)である。X線透視下のIVR(interventional radiology)の手技が長時間に及ぶと、皮膚障害を生じる可能性がある。

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