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カデット特集●ペットと医者

ペットと医者 Vol.6
達成感とは無縁の世界に連れて行ってくれる存在
「動物がお医者さん」著者、精神科医の大平健氏に聞く

大平 健 Ken Ohira 聖路加国際病院 精神科部長●1949年生まれ。幼少期を米ピッツバーグで過ごす。東大医学部を卒業後、1年間ペルーで貧民街の診療活動に当たる。帰国後、聖路加国際病院に勤務。
photo:Susumu Ebina

 今でこそ動物の本を書いたりしている私ですが、40歳頃までは動物とはあまり縁がなく、よく旅行に出ていました。

 特に研修医の頃は滅茶苦茶に忙しいので、休みが取れると即、旅行の計画を立てました。でも、限られた時間で多くの町を回るとか、行ける限りの秘境に行こうとか、達成感を求めてしまうところが、どこか仕事に似てしまっていました。

 この本にも登場しますが、ビーグル犬の小雪を飼ってから「旅行っていうのは無理に行かなくていいんだ」と思えるようになりました。

 「夏休みは海外へ!」と思っていると、それまで、ただ早く月日が過ぎてほしい一心になってしまいます。それがなくなると、もう少し落ち着いて、毎日をじっくり味わえるようになるんです。仕事も面白くなりました。

 家に帰ると犬と猫に奉仕する生活です。でも、散歩をせがまれても、命令されている気はしません。これが人間だとすぐ反発したくなるんですが(笑)。お父さんが小さな子供に命令されて、にこにこ遊んでいるのと同じです。

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