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カデット特集●2012冬・論文コレクション

2012冬・論文コレクション Vol.5
禁煙指導の前に、押さえておくべきデータとは?
臨床の常識に疑問を投げかける論文

名郷直樹
Naoki Nago
武蔵国分寺公園クリニック院長●1986年自治医大卒。作手村国保診療所、自治医大地域医療学などを経て、2003年地域医療研修センター長。05年東京北社会保険病院臨床研修センター長。11年6月より現職。
Photo:Yuji Yuki

 地域医療の実践に参考となるような医学論文を選び、批判的吟味を加えた論文要約(日本語)を、CMECジャーナルクラブおよびCMEC-TVで配信する、武蔵国分寺公園クリニック(東京都国分寺市)院長の名郷直樹氏と副院長の福士元春氏。紹介する論文の選択基準は、「従来の臨床の常識に照らして『あれっ?』と引っかかるもの」(名郷氏)という。CMECジャーナルクラブで2012年に紹介した中から、「最も興味を引き、できれば原著も読んでみてほしい」という論文を挙げてもらった。

 名郷氏と福士氏がそろって推すのが、経口禁煙補助薬バレニクリン投与における心血管リスクを検討したメタ解析(論文1、各論文は次ページ「名郷・福士先生のおすすめ論文リスト」参照)。バレニクリンとプラセボを比較した14のランダム化比較試験(被験者の合計は8216人の喫煙者)を解析した結果、重篤な心血管イベントの発生率は、バレニクリン群の1.06%に対し、プラセボ群は0.82%。バレニクリンにおけるリスクはプラセボより72%、有意に高いという結果が得られたというものだ。

 言うまでもなく、心血管イベントの抑制は禁煙の大きな目的の一つ。それだけに、禁煙補助薬を使って、心血管リスクがわずかながらも高くなるという結果には「あれっ? と思った」と名郷氏。

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