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カデット特集●看取りの作法

看取りの作法 Vol.5 <Angel Care>
医師も知っておきたい死後の「エンゼルケア」
身体変化を踏まえつつ家族の意向を第一に

小林光恵
Mitsue Kobayashi
エンゼルメイク研究会代表●1960年生まれ。看護師を経て、著述業。2001年にエンゼルメイク研究会を立ち上げ、エンゼルケア普及のため全国で講演活動を行う。著書に『ナースマンが行く』(幻冬舎文庫)など。

 患者が亡くなった後に看護師らがが行う、死化粧や清拭などの死後処置。近年、これまで慣習的に行われていた死後処置のあり方を見直し、家族の意向を重視した、より柔軟なケアが行われるようになってきた。

 こうした新しい死化粧は「エンゼルメイク」、エンゼルメイクを含む新しい死後ケア全般は「エンゼルケア」と呼ばれている。元看護師の小林光恵氏が中心となって2001年に発足した「エンゼルメイク研究会」が提唱し、全国に広まりつつある。

より温かいお別れを目指して
 看護師らによる死後処置は、「亡くなった後も遺体を人として大切に扱う」という日本人特有の価値観を背景に、自然発生的に行われてきた。ただ、「専用のメイク道具がなく、看護師の私物の持ち寄りであることや、臨終後の大切な時間に家族とご遺体を引き離してしまうことに、現役時代、どこか申し訳ない気持ちがありました」と小林氏は振り返る。

 そんな気持ちを原点に生まれたのが、エンゼルメイク、エンゼルケアだ。同研究会は、傷痕などのカバー用ファンデーションを販売している会社の協力を得て、エンゼルメイク専用の化粧品セット(下写真)を開発。また、静岡県の榛原総合病院と提携し、現場での試行錯誤を重ねながらエンゼルケアを実践してきた。

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