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カデット特集●私がうつになったとき

私がうつになったとき Vol.4
うつ病回避のための4つのポイント

2012/02/23
田村知子=フリーライター

井原 裕
Yutaka Ihara
獨協医科大学越谷病院こころの診療科教授●1987年東北大学医学部卒。同年、自治医大精神科に入局。94年同大大学院修了。2001年英ケンブリッジ大学大学院博士号修得。順天堂大学医学部精神科准教授などを経て、現職。
Photo: Hiroyuki Yamashita

 うつ病の発症にはストレスが大きく関わっている。不規則な勤務体系や患者との対人関係など、医師の仕事にはとかくストレスが多い。だが、独協医大越谷病院の井原氏は「多忙でストレスを感じても、十分な睡眠で、心身の疲労をきちんと回復しさえすれば大丈夫」と言い切る。

 「人間の身体は睡眠中に様々なメンテナンスを行っているのは周知の通り。睡眠時間が減ればいろいろと不具合が出て当然」と井原氏は言う。聖路加国際病院の保坂氏も、「医師の睡眠時間と抗うつ状態の関係を見ると、5時間未満で抑うつ状態が急増する。また、若い医師では休日が月に4日以下が目立つ。睡眠時間は1日6時間、休日は週に1日は必要だ」と指摘する。

 とはいえ、毎日6時間以上の睡眠時間を確保するのが難しい場合もあるだろう。そこで井原氏が提案するのは「週の合計睡眠時間を50時間に調整する」ことだ。週半ばに長めの睡眠を取ったり、週末に“寝だめ”をするのも一案だ。

 ただし、昼まで寝ていると、今度は夜眠れなくなり、翌日の睡眠に影響が出る。寝だめの際は、就寝時間を早め、起床時間は一定にするのがコツだという。当直明けで寝つきにくい場合は、依存性が弱い非ベンゾジアゼピン系睡眠導入薬の使用を考慮してもいい。

 有酸素運動や筋トレなどもストレス発散には有効だ。注意したいのは飲酒。井原氏は、「飲酒は睡眠の質を悪くし、睡眠不足からうつにつながりやすい。週3日は休肝日を設け、特にうつ状態で身体症状があれば断酒を」と注意を促す。

 「抑うつ状態を自覚しても、勤務評定などを気にして周りに相談しない医師は多いが、早めに専門医の正しい診療を受けることが大切」と保坂氏は言う。精神科以外の同僚に、抗うつ薬や抗不安薬を処方してもらうのは厳禁。これらの薬は導入は簡単でも、断薬が難しい。結果として治療が長引く可能性がある。

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