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番外編その2 Dr. Thomas Killipの教え
プレゼンが完璧でないと後期研修に進めない!?

2021/02/10
田中 和豊

 前回は心電図に関する番外編として和田敬先生について書かせていただいた。今回は番外編その2として、循環器領域でもう1人、筆者が直接指導を受けた高名な医師についてご紹介したい。それはあのKillip分類で有名なDr. Thomas Killipである。ご存じの通り、Killip分類とは、他覚的な身体所見を用いた重症度評価で、急性心筋梗塞の予後を予測できるというものだ。すなわち、心不全なし(I群)、心不全(II群)、重症心不全(III群)、心原性ショック(IV群)と、死亡率の増加が見事に相関することを示した。1967年に発表されて以来、世界的に頻用されるようになった臨床分類である1)

 このDr. Thomas Killipが、筆者がレジデンシーを受けたBeth Israel Medical Center(現在はMount Sinai Beth Israel)に指導医として勤務していたのであった。彼に限らず全ての内科指導医は1年に1カ月間は病棟指導医を行う義務があった。当時既に高齢だったDr. Killipも例外ではなく、1カ月間の病棟指導医の職務をこなしていた。その1年に1カ月間しかない貴重なDr. Killipの病棟指導医の期間と、幸運! にも筆者が循環器病棟をレジデントとして勤務する期間が重なったのであった。ちなみに、2019年に筆者が約20年ぶりにBeth Israel Medical Center(現在はMount Sinai Beth Israel)を来訪したところ2)、現在勤務するレジデントによるとDr. Killipは何と今でも現役だそうである!

著者プロフィール

田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介

医学書ソムリエ
良い医学書は良い海図のように、臨床の大海原の航海を確実に楽にしてくれるもの。しかし、数多く出版される医学書のどれを読んだらよいのでしょうか。本連載では、筆者の田中和豊氏が、忙しいあなたの代わりに様々な医学書に目を通し、「これは良い」と思ったものだけを紹介します。

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