前回は「心電図が分からない理由を教えてくれる心電図の教科書」を紹介して、残念ながら学問に王道がないように心電図判読にも王道はないという結論となった。心電図判読に王道がないならば、より効率的な方法はないのか考えた時に格好の書籍を発見した。

 今回紹介するのが、山下武志 著:『3秒で心電図を読む本』 メディカルサイエンス社、2010年(分類:通読書、推奨度評価:★★★、推奨時期:専攻医~)である。
 本書の特徴を一言で言うと「実践的心電図判読方法の提唱」ということであろう。「筆者が使用した教科書から 心電図を深く理解するために読みたい本(2019/2/7)」の回で説明したように古典的な心電図判読方法では、脈拍・リズム・軸・心房肥大・心室肥大・虚血・その他という順序で心電図を判読する。また、波形に着目した方法では、リズム・電気軸・P波・PQ時間・QRS波・ST部分・T波(+U波)・心電図所見の記入・総合的診断の順序となる。

 これらの古典的心電図判読方法は、初学者が見落としがないように所見を取って、かつその所見を解釈して正確な診断にたどり着くためには非常に有効な方法である。しかし、難点は1枚の心電図判読に

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