前回まで長々と輸液・電解質・酸塩基平衡、そして、最後に尿についての良書を紹介してきた。これで採血検査と尿検査に関連する分野の良書を一通り紹介したので、今回からは採血・検尿と同じくらい頻回に行う検査である心電図を取り上げてみることにしよう。

 心電図を読んでそれを解釈する。当たり前に聞こえるかもしれないが、これができるようになるまでには相当な訓練が必要である。心電図の良書を紹介する前に、筆者自身の経験をお話ししよう。

 筆者が受けた当時の医学部大学教育では、心電図についてはほとんど習わなかった。3年生の基礎医学でその原理を1コマ(当時1コマ1時間半)学習して、1回午後に実習(確かアイントーベンの三角形を描いて電気軸を計算するようなもの)があった。そして、4年生の臨床医学では1コマ心電図の読み方の授業があった程度だったと記憶している。残念ながらたったこれだけの講義と実習では、心電図を読みこなすことはほぼ不可能である。

復刻を願う伝説の心電図バイブルの画像