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医学生のうちに、できれば病院実習前に一読を
眼底診察と聴診の良書

2013/03/11

 前回はバイタル・サインについての良書を紹介した。診察の順序からすれば、次には「身体診察」の書籍を紹介すべきである。しかし、近く「身体診察」についての良書の翻訳が発行される予定なので、今回は順序を変更して先に「眼底診察・聴診」についての良書を紹介する。

 まず眼底診察である。よく、「アメリカでは患者の身体診察で眼底検査がルーティンに行われている」などと言われるが、それは本当ではない。確かにアメリカの病院の診察室の壁には耳鏡と眼底鏡が備え付けられている。しかし、筆者がアメリカにいたときは、実際に外来患者の眼底検査をすることはほとんどなかった。

 高血圧や糖尿病の患者のように眼底検査が必須の患者であっても、自分で眼底検査はせずに、眼科に依頼していた。病棟でも眼底検査はほとんどしていなかった。ただ一度だけ、眼底検査が役立ったことがあった。それは筆者が内科集中治療室をローテートしたときに、感染性心内膜炎の患者の眼底にRoth spotを観察したときであった。

著者プロフィール

田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介

医学書ソムリエ
良い医学書は良い海図のように、臨床の大海原の航海を確実に楽にしてくれるもの。しかし、数多く出版される医学書のどれを読んだらよいのでしょうか。本連載では、筆者の田中和豊氏が、忙しいあなたの代わりに様々な医学書に目を通し、「これは良い」と思ったものだけを紹介します。

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