2月13日に公開した第1回「診断学の良書その1~アナログ診断編~」では、現在病歴と診察というファジーな情報から診断する、古典的なアナログ診断とでも言うべき診断方法についての良書を紹介した。今回は、最新のEBMの数値データに基づくデジタル診断ともいうべき診断方法についての書籍を紹介する。
前回も述べたことだが、「患者診断学」では、経験を積むと、経験がないときにはできなかった診断がズバッとできるようになる。経験を積むためには1例でも多くの患者を診ることであるが、それにも限りがある。経験を積んだ人の診断には、経験による直観的なものもあるが、それだけではなく、言語化されていない論理が存在するはずである。そして、診断の思考過程を言語化して考えようと言うのが「診断学」なのである。
経験豊かな臨床家の診断過程を平易な言葉で解説した教科書として、最も推薦できるのが野口善令・福原俊一 著『誰も教えてくれなかった診断学 患者の言葉から診断仮説をどう作るか』医学書院,2008(分類:教科書、評価:★★★、推奨時期:医学生~初期研修医)である。
なお、書名近くに付記した、「分類」「評価」「推奨時期」の各項目については、第1回の最初のページに説明があるので、参照いただきたい。
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著者プロフィール
田中和豊(福岡県済生会福岡総合病院 総合診療部主任部長・臨床教育部部長)●たなか かずとよ氏。慶應大理工学部を卒業後、医師を目指す。94年筑波大医学専門学群卒業。横須賀米海軍病院、聖路加国際病院、アルバートアインシュタイン医科大、ベス・イスラエル病院などを経て、2012年より現職。

連載の紹介
医学書ソムリエ
良い医学書は良い海図のように、臨床の大海原の航海を確実に楽にしてくれるもの。しかし、数多く出版される医学書のどれを読んだらよいのでしょうか。本連載では、筆者の田中和豊氏が、忙しいあなたの代わりに様々な医学書に目を通し、「これは良い」と思ったものだけを紹介します。
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