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Dr.西野の「良医となるための道標」

まるで金太郎飴

2015/02/16
西野徳之(総合南東北病院消化器センター長)

 最近の研修医と接していて思うことがある。
 「どんなことですか?」

 どうも君らは『教育してもらう』という受け身の姿勢に慣れてしまっているように感じるんだ。自身の努力でがんばろうというモチベーションやハングリー(hungry:渇望している)精神が高くないように思う。

 自分ではどう思う?
 「……と言われても」

 礼儀よく、返事もいいのだけれど、スプーン・フィーディング(spoon feeding)に慣れた一見優等生のような研修医が多いような気がするのは僕だけだろうか? ある意味、皆が没個性的で、どこを切っても同じ金太郎飴のような気がしてならない。僕の研修医の頃はもう少しハングリーだったけどな。

 何年か経って、君らが外来で患者にこう言ったとしよう。
 「あなたの状態はガイドラインで言うとここに相当するので、5年後の合併症の発症率はX%、それを予防するためには3つの治療のうち、これが妥当かと思われます。ほかの選択肢もありますが、どれがよろしいでしょうか?」

 こんな診察では医師としての人間味がないだろう? コンピューターに患者が症状をインプットして、薬が出てくる。医療はそういうものにはなりえない。

著者プロフィール

西野徳之(総合南東北病院〔福島県郡山市〕消化器センター長)●にしの・のりゆき氏。1987年自治医科大学卒。旭川医科大学第三内科、利尻島国保中央病院院長、市立根室病院内科医長などを経て2000年10月より現職。

連載の紹介

Dr.西野の「良医となるための道標」
今の臨床研修カリキュラムに足りないもの。それは医師としての心構えや倫理観、患者との接し方を学ぶことではないか? 研修医指導に情熱を傾けてきた著者が、「医師としてのあるべき姿」を熱く語りかける、『良医となるための100の道標』(日経BP)。その一部をご紹介します。
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 「患者を診るということは、家族とともに、患者の心とも向き合うこと。その不安、焦燥、葛藤、そして悲しみを共有することなのだ。その心を受けとめることが君にはできるかい?」  医療という大海原に飛び込んだ研修医に、親として、兄として、友として、本音で語りかける、良医となるための「100の金言集」。(西野徳之著、日経BP社、2800円税別)

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