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Dr.西野の「良医となるための道標」

思考は現実化する

2014/09/01
西野徳之(総合南東北病院消化器センター長)

 君たちは若いうちから常に具体的な目標を設定して、それに向かって進むべきだ。漠然と「良い医者になりたい」でもいい。「留学したい」でも、なんでもいい。

 もちろん思っているだけではだめで、努力することが大切。目標を持っていなければ、惰性で日々を過ごすだけで、向上はない。目標を持つことで、自分に何が足りないのか、常に自省するようになり、それを乗り越えようと努力するようになるのさ。

 たとえば、診断が難しい患者が受診したとしよう。ほかの病院でも診断がつかない。でもつらい、なんとか治してほしいと訴えている。なんとか治してあげたい。そのためには勉強が必要だ。そう思えば自然と勉強する習慣ができてくるだろう。

 でも医学は深淵だ。勉強してこれで十分ということはない。勉強しても、まだまだ知らないことはいっぱいある。自分の専門外はもちろんのこと、専門分野ですら知らないことは山ほどある。

 医師としてのcareerを積めば自然と知識や技術は備わるわけではなく、それを得たいと思い、努力することでのみ成長してゆけるのだ。

 孔子は『論語』の中で、弟子に『知る』ということを説いている。

『知る』ということは、自分が何を知っていて、何を知らないのかを認識することである」(「為政第二 十七」)

 すなわち、自分が知ったような気になっているだけで、本当は知らないことは多くある。だから、知ったかぶりではなく、知らないことがなんであるかを探求する精神が必要なのだと。

優れた臨床医は自分が何を知らないのかを知っている
――『ドクターズルール425 医師の心得集』 福井次矢訳(南江堂)

 ことほど左様に、自分の知識欲を増幅させて、勉強してゆくと砂に水が沁み入るように知識が身につく。そしてその先に自分の課題を意識することで、自分のすべきことが見つかる。留学でも学位の取得でも、それを意識することによって、実現できることもあるのだ。

 ナポレオン・ヒルは著書『思考は現実化する』の中で、願望実現の6カ条を述べている。[以下、ナポレオン・ヒル「思考は現実化する」(きこ書房)より引用]

著者プロフィール

西野徳之(総合南東北病院〔福島県郡山市〕消化器センター長)●にしの・のりゆき氏。1987年自治医科大学卒。旭川医科大学第三内科、利尻島国保中央病院院長、市立根室病院内科医長などを経て2000年10月より現職。

連載の紹介

Dr.西野の「良医となるための道標」
今の臨床研修カリキュラムに足りないもの。それは医師としての心構えや倫理観、患者との接し方を学ぶことではないか? 研修医指導に情熱を傾けてきた著者が、「医師としてのあるべき姿」を熱く語りかける、『良医となるための100の道標』(日経BP)。その一部をご紹介します。
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 「患者を診るということは、家族とともに、患者の心とも向き合うこと。その不安、焦燥、葛藤、そして悲しみを共有することなのだ。その心を受けとめることが君にはできるかい?」  医療という大海原に飛び込んだ研修医に、親として、兄として、友として、本音で語りかける、良医となるための「100の金言集」。(西野徳之著、日経BP社、2800円税別)

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