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【第4回】
学生のうちに、米国で臨床実習をしよう

2010/10/21
安川康介(米ミネソタ大学病院 内科レジデント)

筆者が学生時代に、ニューヨークのRoosevelt病院で実習したときのものです

 「米国への臨床留学に興味はある。でも本当に行きたいかどうか分からない」
こう思っている人は多いのではないでしょうか。むしろ、早い時期から明確に米国での臨床研修を目指している学生の方が少ないと思います。

 臨床留学が実際にはどういうものなのかを知るために、まずは現在留学中の方々から話を聞いてみて下さい。周囲でみつからなければ、ブログがあります。「アメリカ臨床留学」「USMLE」などのキーワードで検索すれば、米国で現在臨床研修中の先生方のブログなどがみつかると思います。

 もう一つのアドバイスは、実際に米国で実習してみることです。前回、私が重要と考えるステップの一つにも「学生のうちに、米国の病院で臨床実習(Externship)を行うこと」を挙げましたが、もし将来の選択肢の一つに臨床留学を考えているなら、これはぜひとも実行に移してください。学生の時に、米国の病院でチームの一員として働き、教育を受け、現地のResidentと接することで、必ず何かが見えてくるはずです。

 実際に米国の臨床現場に身を置いてみて、「実際に行ってみたら米国の研修にはそれほど魅力がなかった」と思えば、それも大きな収穫です。逆に、「米国で研修を受けたい」と思えば、 USMLEの勉強やマッチングの準備にも力が入ります。

学生ならではのメリットとは
 なぜ学生の時なのでしょうか。それは、実際に患者さんを診察したり、カルテを書いたり、簡単な手技をしたりと、米国の医学生と同じような実習ができるからです。これが卒業後だと、基本的にObservership(見学が主であり、臨床行為はできない)しかできません。

 またResidencyに応募する際には、米国の病院の多くが、米国の病院での実習経験(ExternshipもしくはSubinternshipともいわれる)を条件にしています。比較的短いケースで1カ月、長いケースだと6カ月や1年のUSCE(アメリカでの実習経験)を条件にしているところもあります。

 例としてカリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の内科レジデンシーの応募サイト(http://medicine.ucsf.edu/education/residency/application/foreign.html)を見て下さい。米国での実習経験が応募条件になっています。

 また、ペンシルベニア大学 の応募サイト(http://www.uphs.upenn.edu/medicine/education/resappinfo/application/index.html)を見てみると最低でも4週間の米国の病院での臨床実習を条件にしており、Observershipはこれに含まれないと明記されています。米国の病院で実習をしたということは、採用者にとって「この人は米国の病院のシステムが分かっている」ということを示す重要な目安になっているのです。

著者プロフィール

安川康介(米国ミネソタ大学病院内科レジデント)●やすかわ こうすけ氏。2007年慶應義塾大学卒業。日本赤十字社医療センターでの初期研修終了後、09年6月より現職。趣味は読書とドローイング(線画)。

連載の紹介

臨床留学への道
「米国への臨床留学に興味があるが、何から始めればよいのか分からない」。そんな医学生たちに向けて、米国ミネソタ大学病院の内科レジデントである安川康介氏が、留学決定までのプロセスをたどりつつ、ノウハウを伝授します。

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