新しいアイデアに基づいて画期的な治療方法を発見したい。基礎研究で素晴らしい成果を収めたい─。医師であれば、そんな夢を描く人も多いでしょう。では、そうしたアイデアはどうすれば手に入れられるのでしょうか。
アイデアは、一部の天才が、何もないところから生み出すものではありません。米国の広告代理店に勤めていたジェームス・W・ヤングは、1940年に著した『アイデアのつくり方』の中で、こう言っています。「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない」。
その組み合わせが、意外なものであればあるほど、価値は高まります。例えばこの連載は、「医療+ビジネススキル」という異色の組み合わせで成り立っています。ビジネススキルを語るビジネスパーソンはいくらでもいますが、ビジネススキルを語る医者は少ない、というのがポイントです。
婦人科の常識は、消化器科の非常識?
こんな例もあります。内視鏡で胃癌を診断したり切除範囲を決めたりする際に、酢酸を散布する方法があります。酢酸を撒いた胃粘膜は白く変色しますが、病変部だけは10秒ほどで元に戻り、正常な部分は1~3分くらいは白色が持続するので、境界がはっきり見えるのです。胃内視鏡の世界では数年前から行われている方法ですが、実は、婦人科では30年も前から、子宮頸癌の診断に使われてきました。婦人科の医者からしたら、「えっ!知らなかったの?」って感じでしょうね。
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著者プロフィール
大竹真一郎●おおたけ しんいちろう氏。1998年神戸大卒。同大第3内科に入局後、関連病院に勤務。2007年からは医局を離れ、菊名記念病院、けいゆう病院、中野サンブライトクリニックで勤務。

連載の紹介
Dr.大竹のおすすめBizスキル
「ビジネスの世界では当然とされているノウハウやスキルを取り入れれば、医師ももっと効率的に仕事ができる」—。医療以外の職種にも幅広い人脈を持つ大竹氏が、多忙な医師生活に役立つビジネススキルや思考法を紹介します。
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