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外国語でも診療できるべき?

2015/08/21

 新国立競技場の計画見直しを筆頭に、最近は毎日のようにオリンピック関連の報道がなされています。医療界に対し、東京オリンピックはどんな影響を与えるのでしょうか。

 先日、m3.comが実施したアンケート調査で、医師の6割が「英語での診療を行える」と回答した、という結果が出ていました。この結果を見た時、私は「本当にそうかしら?」と思いました。

 私の回りにいる医師を見て考えてみました。確かに、大学や大病院の所属医師は抄読会や学会発表を通して日常的に英語に触れているため、何とかなりそうです(留学生の受け入れをお願いしたら逃げまわっちゃう先生もいますが(笑))。しかし、それ以外の先生は……。残念ながら、診療が問題なく行えるほど英語を使えそうな人の顔はあまり思い浮かびませんでした。

 サンプル数が少ないとはいえ、このアンケートの対象は日常的にインターネットで医療ニュースをチェックしているような医師たち。結果にはかなり偏りがありそうです。

都内の医療機関の外国語対応状況は?
 ではそもそも、医師は外国語を話せるようにしておくべきなのでしょうか。

 もちろん、話せるのに越したことはありません。外国に旅行した際、体調を崩した経験のある方は多いかと思います。その場合、現地に日本語で診療してくれる医療機関があればいいのですが、そんなことは少ないのが現実です。そこで多くの場合、自分が話せる外国語(日本人の多くは英語でしょう)を理解できる医師のいる医療機関を探すことになります。

 これは、海外から日本に来た外国人も経験することです。以前、東南アジアから日本に来る中高生の短期研修を引率した先生とお話しする機会がありました。その時、ふと「この子たちって、具合悪くなったらどうするんだろう?」と思ったのです。

 そこで、日本で滞在外国人が一番多い東京都について、医療機関案内サービスを使って外国語対応の状況を調べてみました。

 日経BPがある港区を検索してみると、英語に対応している医療機関は区内だけで検索上限件数である60件が出てきました。とりあえず、英語に関しては困ることはなさそうです。

 一方、私がお会いした東南アジア出身の先生の母国語に対応している医療機関は、診療科を指定せず、都内全域を対象とした場合でも8件のみ。うち4件は歯科でした。いわゆる大病院はなく、小規模な医療機関ばかりです。実際に具合が悪くなったら、都内は広いし公共交通機関を乗りこなすことも難しいので、たどり着くだけで苦労しそうです。

著者プロフィール

医師のキャリアパスを考える医学生の会●医学生が自らのキャリアについて学び、考え、発信していくことを目的として発足したネットワーク。20人ほどのスタッフが、見学ツアーなどのイベント企画や、MLによる情報発信を行っている。

連載の紹介

心に刺さったニュース
「医師のキャリアパスを考える医学生の会」の運営スタッフによるリレーコラム。Uovo一人ひとりが、「心に刺さった」記事をネットからひろいあげ、なぜ刺さったのか、どう感じたのかを語ります。文末の()内は筆者のペンネームです。

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